B細胞欠損症(B cell Deficiency:BCD)とは?(医療関係者向け)
- 小児科医のブルトン先生(Ogden Bruton, 1908~2003) は、左の図のような経過をたどった8歳の男児について、1952年に報告しました。
- この患者さんは、4歳から、肺炎球菌による敗血症を繰り返し、中耳炎、肺炎も合併しており、予防のために投与した肺炎球菌ワクチンも効かず、抗体もできず、抗生剤での予防もできませんでした。
- ムンプス(流行性耳下腺炎、おたふくかぜ)にも複数回かかり、抗体はできず、水痘(みずぼうそう)ウイルスによる帯状疱疹にもかかっています。
- ブルトン先生は、タンパク電気泳動の結果から、ガンマグロブリン分画がないことに気づき、この病気を「無ガンマグロブリン血症」と名づけ、ガンマグロブリン投与が有効であることを報告しました(Pediatrics, 1952)。
- その後、Max Cooper先生により、この疾患がB細胞欠損症によるものであることが発見され(Lancet, 1971)、塚田聡先生が留学中に原因遺伝子を発見され(Cell, 1993)、後にBTK遺伝子と名づけられました。
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