B細胞欠損症（B cell Deficiency：BCD：ビーシーディー）とは？（一般向け）
- B細胞欠損症(BCD)は、Bリンパ球*がうまれつきできないため、抗体**をつくることができず、ウイルスやばいきん（細菌）に感染しやすくなる病気です。代表的な病気は ブルトン型X連鎖無ガンマグロブリン血症（XLA）という病気です。
- 未診断の場合、生まれて3か月頃から、中耳炎、肺炎、敗血症などに繰り返しかかり、命に関わるものになることもあります。
- エンテロウイルス（手足口病やヘルパンギーナ、胃腸炎、など夏かぜのウイルスです）による髄膜炎になることでも知られています。
- 生後2か月から接種可能な定期接種となったロタワクチンもうってはいけません。
- 不活化ワクチンも無効です。
- しかし、感染症にかかる前に、定期的な免疫グロブリン補充療法***をうければ、感染症にかかることを回避できます。
- 根治療法としての、遺伝子治療も研究されています（骨髄移植や臍帯血移植は適応ではありません）。
*Bリンパ球：抗体をつくる形質細胞に分化する。
**抗体：ウイルスを中和したり、ばいきんをたべやすくするタンパク
***免疫グロブリン療法：健康な人から、抗体（免疫グロブリン）が含まれるガンマグロブリン分画を集めて、製剤にしたもの。静脈注射で投与するものと、皮下注射で自宅などで投与することができるものがあげられる。
